経営業務の管理責任者とは?

経営業務の管理責任者(略して経管(けいかん)とも言います)とは、「その営業所において、営業取引上対外的に責任を有する地位にあって、建設業の経営業務について総合的に管理し、執行した経験を有した者」のことを言います。

具体的には、

  1. その営業所において常勤の、
  2. 法人では役員、個人事業主の場合は代表者か支配人で、
  3. 過去に一定期間以上建設業の経営経験がある者

のことを言います。

と言っても、よくわからないですよね。

以下、解説いたします。

「常勤」とは?

経営業務の管理責任者は、許可を取得する建設業者に、常勤で在籍している必要があります。

常勤とは、週40時間以上の勤務が想定されていますので、休日以外は毎日出勤していなければなりません。

毎日出勤していても、午前中だけ等、パートのような勤務状態ではダメということになります。

その方が、ずっと会社におられるのかどうかを証拠として提示する必要があるのですが、よく求められるのは、その方の健康保険証(許可を取得する会社の)のコピーです。

あわせて、その方の名前が記載された「標準報酬額決定通知書」も要求されることがあります。

但し、後期高齢者や個人事業主のもとに入った支配人等は健康保険に入ることができなかったり、そもそも入る必要がなかったりしますので、その場合には住民税の特別徴収額決定通知書を提示することになります。

「営業取引上対外的に責任を有する地位にある者」とは?

この「経営業務の管理責任者」は、法人の場合は役員、個人事業主の場合は代表者か支配人のうちの最低限1名が常勤でいなければなりません。

「役員」とは株式会社や有限会社の場合は取締役又は執行役員、合同会社の場合は業務執行社員、組合等の場合は理事のことを言います。

なお、監査役は経営業務の管理責任者にはなることができませんので、注意が必要です。

「過去に一定期間以上建設業の経営経験がある者」とは?

経営業務の管理責任者は、一定期間以上建設の経営経験をしたことがなければなりません。

たまに聞かれますが、資格等で代用することはできません。

すぐに建設業許可を取得できないケースは、この要件を満たすことができない場合が多いですが、都道府県によっては可能な場合もありますので、まずは弊所の無料相談をご利用ください。

では以下、「一定期間以上の建設業の経営経験」とはどのようなものなのか、解説いたします。

5年以上の経験でOKな場合

「会社の役員・執行役員・支店長・営業所長や、個人事業主・その支配人」として、
「許可を受けようとする建設業と同じ建設業の経営経験」があれば、
5年以上の経営経験を証明できればOKです。

例えば、「塗装工事」を個人で、確定申告をして、5年間請負・施工をした経験があり、そして「塗装工事」の許可が欲しいという場合には、経営業務の管理責任者になることができます。

なお、同時に他の工事をしていた場合(例えば「電気工事」と「管工事」)でも、それぞれ5年以上の経営経験を証明できれば、両方の経営業務の管理責任者になることができます。

6年以上の経験が必要な場合(1)

「会社の役員・執行役員・支店長・営業所長や、個人事業主・その支配人」として、
「許可を受けようとする建設業と違う建設業の経営経験」がある場合には、
6年以上の経営経験を証明する必要があります。

ですが、逆に言えば、6年以上の経営経験があれば、29業種全ての経営業務の管理責任者になることができますので、経営業務の管理責任者の問題は完全にクリアできます。

例えば、「内装工事」の経営経験が6年以上あれば、「建築工事一式」の経営業務の管理責任者になることもできます。

なお、工事の種類については一つでなくともよく、何種類かの工事の通算期間が6年以上であればOKです。

6年以上の経験が必要な場合(2)

「経営業務を補佐した経験を有する者(「準ずる地位」)」として、
「許可を受けようとする建設業と同じ建設業の経営経験」がある場合には、
6年以上の経営経験を証明する必要があります。

「準ずる地位」とは?

「準ずる地位」とは、取締役や代表者等の、そのすぐ下の地位(具体的には、工事部長等)のことで、
経営陣の補佐をした経験が必要です。

「補佐をした経験」については、下請業者との契約締結や、技術者の配置等が該当します。

なかなか証明が難しいところがあり、以前の勤務先が協力してくれるならまだ良いのですが、
喧嘩別れをした場合等、協力してもらえない場合には、非常に証明が難しくなります。

なお、「準する地位」で経営業務管理責任者になる場合には、経験してきた業種と同じ業種でしかなれませんので、注意が必要です。

「経営経験」の証明方法は?

都道府県や地方整備局によって多少異なりますが、主に以下のような「証明が必要な期間分の」「客観的に証明できる資料」が必要です。

1.今まで許可を持たずに軽微な工事をしてきた場合

過去の工事の注文書や契約書、または請求書が必要となります。
(場合によっては、入金の証明として通帳の写しが必要となる場合もあります)

また、過去の確定申告書、決算書が必要な場合もあります。

2.許可を持っている会社・個人事業者で経営経験がある場合

その会社等の建設業許可通知書又は建設業許可申請書の副本が必要となります。
(行政がその会社の許可の有無を調べてくれる場合もあります)

また、会社の場合には、取締役として勤務していた証明のために、閉鎖登記簿等も必要となります。

3.許可を持っている会社で営業所長や支店長をしていた場合

その会社の建設業許可通知書又は建設業許可申請書の副本と、就任時・退任時の変更届の副本等が必要です。

4.許可を持っている会社で執行役員をしていた場合

3.に加え、執行役員になったことがわかる取締役会議事録等が必要です。

5.「準ずる地位」で経営補佐をしていた場合

4.に加え、その方が決裁者であったことがわかる稟議書・工事契約書や、当時の組織図等が必要な場合があります。

1・2の場合は、比較的証明は容易ですが、3~5の場合で、前の勤務先に協力をお願いすることが難しい場合には、証明は難しいと言えます。

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